黒猫カカオのものがたり　その３

保護してから２週間くらいの様子。
寝室横のウォークインクローゼットにケージを置いてそこで寝起きしていたカカオくん、朝になるとニャーニャー鳴いてケージの外に出してくれと催促します。でも夜の間は静かに眠ってとってもおりこうさん。ノミもシラミもいなくなったので、もう一緒に遊んでも大丈夫です

これはカカオを保護した当日の様子。キャリーの中にいる外来者を遠巻きに警戒するネコさん達。もしカカオが我が家の3番目のネコさんになった時は仲良くできるんだろうか？

（前略）それから、先日ご来場いただいた通り、里親会にはほかにも沢山の猫が参加しておりますが、希望者の方が少ないという状況が続いています。
特にここ最近は仔猫の相談が非常に多く、毎週のように新規参加があるものの、決まる数は１組２組程度です。
ですので、当会のリストに掲載しただけではなかな か決まらないと思いますので、できるだけご自身でもいろいろな手段を取って里親探しをしてみて下さい。
ただ、個人で募集すると、いろいろな方から問い合わせがあります。虐待目的で譲渡を受けようとする人もいますし、虐待ではなくとも、
コレクターであったり、安易な飼育をするような方もいます。
なので、もし個人で里親募集をされ、交渉する場合は、きちんと飼える方かどうかの見極めをしっかりするようにして下さい。

これは里親会の方からいただいたメールです。これを見るとやはり里親を見つけるのは難しいのかなぁ
お盆の宮古島旅行もこのままだと今回はシッターさんに3匹分の面倒を見てもらうようだね、、なんて話しをしていました。
すると8月に入ったある日、再びメールが届きました。

こんにちは。
本日の里親会で、カカオ君希望という方がいらっしゃいました。
希望者様は女性で、先住猫ちゃん(オス)がいます。ご自宅で○○○教室をされています。
実は全くの知らない方ではなく根っからの黒猫好きで、先住の猫ちゃんも黒猫、教室の名前も黒猫にちなんでいます。
保護猫に理解のある方ですし、私としてはお話を進めても良いかな、と感じましたが、いかがでしょうか。
（内容は途中省略および改訂をしています）

まさに願ったり叶ったりのお話しで、こちらとしては断る理由なんてありません。話しはトントン拍子で進み、まずは里親さんのお宅にお試しステイをすることになりました。
ケージ持参で里親さん宅を訪ねたのがなんと宮古島出発の前日　旅行中は里親さんがカカオの面倒を見てくれるということで、私たちも心おきなく出発できそうです。
ただ、唯一心配なのは里親さん宅の先住ネコさんで、そのネコさんがどうしてもカカオを受け入れられない場合は今回の話はなくなってしまうかもしれません。
画像は里親さん宅へ出発する前のカカオ。1か月も一緒に寝泊まりしたので、情が移って離れるのが寂しいよ

先住ネコさんとカカオ。やはり心配していた通り、先住ネコさんにはすぐには受け入れられなかったようです。
でも里親さんがいろいろ工夫をしてくださり、宮古島から戻ったあとに正式譲渡が決定しました！！
里親さん宅でもしばらくはケージで暮らしていたカカオですが、9月中旬頃にはもうケージは使わず外（部屋）で暮らすことになったという連絡を受けて、ケージを引き取りに里親さん宅を訪問しました。

里親さんに抱っこされるカカオ、すっかり大きくなってる　相変わらずすばしっこいようで、家の中を駆けずりまわっています。先住ネコさんはまだカカオをすっかり受け入れたわけではないようですが、以前ほど拒否反応は示さなくなったそうです。

里親さんはＳＮＳで時々カカオの様子をＵＰしてくれるので、私たちもカカオの様子を見るのを楽しみにしています。そんな彼女のＳＮＳにこんな事がかかれていました。（そして、今回は仮名にしましたが、カカオから別のかっこいい名前になってました）

リョウマ（先住ネコ）とコジロウ（カカオ）（仮名）は仲良くなったのか？と会う方にいつも聞かれるのですが、いまだ付かず離れずな関係です。でもコジロウ（カカオ）もリョウマに負けず劣らず性格の良い子で、人の顔を見れば喉を鳴らしっぱなしだし、猫じゃらしを投げればくわえて持ってくるような犬のような子です。

7月の真夏の太陽が照りつける朝、車のエンジンルームの中で鳴き続けるお腹を空かせ痩せ細った子猫。それが我が家に保護され、素晴らしい里親さんに引き取られ、今は芸術教室のマスコット的な黒猫になろうとしています。
もし、あの日我が家のエンジンルームではなく別なお宅の車の中に入り込んでいたら？
もし、あのまま保護することができなかったら？
もし、里親さんが見つからなかったら？
もし、先住ネコさんがどうしても受け入れてくれなかったら？
そう思うとカカオはとてもとてもラッキーな子猫だったのかもしれません。
里親さんの言うようにカカオは性格が良く、その小さな手で自ら幸運を引き寄せたのかもしれませんね
人懐っこいカカオはきっとこれからもお教室のみんなに可愛がられることでしょう！
カカオに幸あれ！！
そして最後に、今回のカカオのご縁を仲介してくださった里親会のみなさま、ボランティアなのにここまで一生懸命やっていただきありがとうございました。
もし、この里親会に問い合わせをしなかったら、もしかしたらカカオは我が家の3番目のネコさんになっていたかもしれませんね